夜のエレベーター

定員六人くらいのエレベーターに詰めて乗ったら、しばらくしてから目の前にいるのが友人だと気づき声をかけると、周りにいるのもみんな同じころの友人だった。まさか人に会うとは思っていなかったので自分の無精髭を気にしていたら「お前のは無精髭ってレベルじゃないよ」と苦笑された(この辺は現実を反映している)。聞いた話ではまだ、あの頃のようにバンドを続けているらしい。そういう面子だった。少し太った奴もいた。エレベーターが地上に着いたので一緒に夜の道を歩いた。左手に線路が走っていて、街灯がぽつぽつと、歩道を照らしている。一行の中にひとりだけ、別の場所での友人がいて、彼は二浪の末大学に入ったとのことだった。