人間誰しも頭の中に他者を自分の延長として飼っており、その範囲は家族・同郷の者・人類はたまた哺乳類、動物、生命、無機物と様々に、強度を変えながら住みついていて、それだから同情や共感とか心配が生まれるのだということは恐らく当然のことで、たとえば動物愛護法なんてのは心のこういう作用から発しているはずだ。俺だって猫の虐待には嫌悪感を持つけど、しかし石の虐待はお好きにどうぞって思うのは、好きなように論理的な説明を与えることはできるものの、実際のところは俺自身が「俺と石は似ても似つかん」と確信しているからだ(ミミズだったら少しだけ嫌だと思う)。こういう所から出発して、昨今の不謹慎だとか、捕鯨だとかいう話をする人のメンタルを解説してくれる人がいれば俺も口を半開きにしながら納得できるはずなんだけど、見あたらない。