インコンニウスの城砦

Kindle Unlimited にて。正直冒頭のシーン2ページほどを読んだときには手描きの暗い雰囲気にピンと来ず、興味が湧かず本を閉じてしまったのだけど、あとからまた時間のできたときに読みはじめてみると面白い。止まらなかった。これは無料で読んでいる場合ではない、すぐに続きを買わねば、とストアに仮想的に駆け込んだけど、読み切りであった……。

科学サイドと魔術サイドのスチームパンクめいた戦いの中、建造される巨大兵器の密偵をおこなう少年、とその監視役の女の話。純粋な科学というのもあるのだが、科学サイドのエネルギー機関が、「魔術を意図的に失敗させることで火をおこす」というメカニズムに拠っていることがもうとにかくかっこいい。単発ではなく、ストーリーの展開にも関わってくる設定。科学も魔術も、得体の知れないものからパワーを得ている暗さがある。

敵の親玉のインコンニウスの台詞は全部ゴシック体で描かれてるんだけど、これがまた異物感あっていい。大声張ってるだけという見方もできはする。マジで面白いというか好みだったのでオススメ。

で、感想を検索するわけだけど、一般に「〇〇(作品名)は△△〜」みたいなタイトルの記事はつまらないことがとても多い。クリックさせようとしすぎ。作品名だけをタイトルにしてる記事は信頼できる感想であることが多い。