木造舎内の海

旅行に行くことになっていたのに行き先が決まってなくて慌てて以前合宿に使ったことのある施設を予約した。旅行という感じではないが仕方がない。車に乗っていき、到着する直前に木の上にカンバンのようなものが引っかかっていたので引きずり下ろして記念写真を撮ろうと思うも、どの角度からも難しそうで、断念。施設には浅い貯水池がありそこにカルガモの親子がいて、可愛かった(夢で動物を見たうえ可愛いと思ったことは記憶にない)。木造の建物に入ってすぐのロビーから手すりの向こうを覗くと海になっていて、子供や若い女性が泳いだり、海辺に立って眺めていたりする。丸テーブルと硬い椅子の並ぶロビーには男たちがたむろしていて、カウンターの向こうに座ったリーダーらしき男が、何か、女子高生に言いよられたとかセックスしたという話を自慢気にしていて、それを後ろで聞いている嫁さんがプリプリ怒っていた。
突然明かりが消え、海が消失する(係員の話によると停電したのだという)。海から引きあげてきた子供たちに電気は俺が消したんだとホラを吹いてみるが芳しい反応もない。子供が持っている携帯ゲーム機が面白そうで、クイズゲームを少し遊ばせてもらった。ディスプレイが紙になっていて、紙が巻きとられて画面を切り替える仕組みだった。それから音ゲーもあったので、やってみた。一つの長い巻物のようになった楽譜が次々と流れてくるので、その音符をタッチしていく。ときどき音の流れる方向や音符の意匠、楽器の数が変わるのでなかなかハードだった。手書きらしきその楽譜にはいろいろと工夫が凝らされていて、子供を喜ばせるために作ったのであろうその人の苦労が偲ばれた。