宇宙

うちの学科に1人ものすごくハンサムな奴がいるんだけど、だからといって彼がそのことを鼻にかけている分けでもなくて、いつでも礼儀正しく清潔で、ハキハキとして気さくで、何食って育ったらこんなになるんだろうと思ったら女食ってました、ではなくて、少しもチャラチャラしておらず、ただ1人の恋人といつも仲良さそうにして、真摯な人間なのである。
さて家路に彼を見かけた。この寒さに膝まで届くコートを着、自転車に跨り、特徴的な目は暗闇を見つめ、細い眉、清々しく白い肌を見るに、彼は僕に気付くことは無かったけど、というかまともに話したことないんだけど、僕は宇宙を感じた。彼みたいに美しい人と、バイトの帰りに会う(見るだけ)ことができるのは宇宙だ。