また土曜。朝。仕事のなかった男に仕事が与えられた話を聞いて、それがなかなか俺にはまぶしくて、佳いと思った。朝起きたので外出し、一番は忘れたのだけど二番はこう、左手に、すれ違う、全身コーデの女の子、などと自分勝手に歌いながら道にのっていた。行き着いた先で、いつも通り暖かい液体をすすりながら本を読んだ。そこでは土曜日だっていうのにスーツの、若者の集団、うち女性はひとり、が車座になって談笑しており、あちらでは(聞こえてくる台詞から判断する限りでは)イケメンと思しき男が女性二人を相手に自分の彼女の話をしていた。そんな中で、『富嶽百景』その他を読んでいて、恥ずかしながら太宰治はほとんど初めて読むのだけど面白かったしそれ以外にも、作ろうと思っていたものを少しすすめて、日が暮れたころに酒を買って、満足して部屋に帰った。あとは積んでいるエロ本をくずしてやれば上出来だろう。そう思っていた深夜、戸を叩くものがある。