ベン・ホロウィッツ『HARD THINGS』

HARD THINGS

HARD THINGS

なんか偉人の名というか、インターネットやソフトウェアの歴史というものを皆目知らないで生きてきたわけですが、みなさんいかがお過ごしでしょうか? ネットスケープとか、IE に駆逐されるダサいブラウザだと思ってたウィンドウズネイティブ世代だよ。技術にしろビジネスにしろ、おれから見ると想像もできないような能力をそなえた巨人にみえるわけだけど、そんな人間ですら七転八倒してきたさまを見せつけられる。こうやれば上手くいく、という綺麗な理論の話ではなく、こんなにうまく行かなかったが何とか乗りきった、という話。結局失敗をどうリカバリーするか、胆力で、という話なんだろう。すごい。あくまで個別の具体的な話。同じ苦境に陥ったひとをなぐさめ、勇気づけるものなんだろうか。この起業と苦闘のエピソードがまるまる一冊続くのかと思っていたが、あっさりと終わり、途中からアドバイス編になっている。

Kindle で読んだので、引用がしやすい(今さら気がついた)。

自分を評価して、「不可」を付けたところで慰めにもならない。

自分の惨めさを念入りに説明するために使うすべての心的エネルギーは、CEOが今の惨状から抜け出すため、一見不可能な方法を探すために使うほうがはるかに得策だ。やればよかったと思うことには一切時間を使わず、すべての時間をこれからきみがするかもしれないことに集中しろ。結局は、誰も気にしないんだから。CEOはひたすら会社を経営するしかない。

他人がやったことを見て判断する観客は、彼がどう感じたかを知らない。

そのほか:

  • バークレーが自由で開放的な雰囲気だという話が出ていた。読みさしの『カッコウはコンピュータに卵を産む』でもそんな話があったような気が(下巻がどっかいってて続きを読めない)。
  • 社長とCEOが同時に存在するエピソードがあったが、違いがわからない。