若かりしころにこの人の本を読んだので親鳥のように思ってる説がある。 全然検証できていないけど自分なりのまとめ。さすがに世界史を勉強しないと全然わからないな。

曰く、国民国家のおこりがあった。それ以前は共同体へのアイデンティティは薄かったらしいけど、ナポレオンという外敵によって連帯感を強める圧力は生じていた。国民国家というのはそもそも曖昧な概念で、同じ文化・同じルーツを持つ俺たち、というまとまりは割りと脆い。というか国民国家の成立時から異分子としてのユダヤ人やそれ以外はいたわけで。それからヨーロッパの国々は資本主義と、(資本主義が買い手を求めるから?)帝国主義を成長させていった。植民地を増やしていく過程での他人種との出会いは、さらに人種的な優生思想を高めていったらしい。帝国主義思想を支持するものとしての思想なんだろうな。ドイツやロシアのように海外の植民地化に乗り遅れた国は、別の形で帝国主義を強めていった。民族としてのアイデンティティをあえて広く取ることで隣国を侵略する理由づけとしていったわけだ。おれたちみんな〇〇人、隣の国も〇〇人だからっていう具合だ。

やがて国民国家という枠組みは崩壊をはじめる。まあいろいろ理由はあるんだろうが、民主主義の発達とともに階層化されていた民衆が解き放たれ、形式上は政治に参加するようになったということが大きな要因なんだろう。政治に積極的な参加はしないものの感情は持っている大衆という存在が、その集合が国政において無視できない力を持つようになった。逆に為政者にとってはそれらをコントロールすることが利益になる状況であったわけだ。大衆は政治的主張を持たず、それによって連帯するようなトピックを持たない。代わりに求めるのは大衆は世界観である。陰謀論のように排外的でわかりやすいストーリーが浸透していけば、全体主義の完成というわけだ。

エルサレムアイヒマン』のほうに興味があったけど、全体主義の話が多めでそっちのほうが頭に残った。そんでなんか100分de名著が下敷きらしかった。これ読んでいったらいい説あるな。