この人生の半分くらいをともに過ごしてきた荷物……を片付ける。大学にいたころのノートとか、はじめだけは威勢よくつけてた手帳とか。こういうものからしか読み解けない過去もある。書かれたことの合間にあるものたち。生きるためには、すべてを残しておくわけにはいかないので、捨ててしまうけどね。「M、授業をサボる。なぜか?→彼女が来るから。」というメモが面白かったのだけここに残して捨ててしまう。あとは百枚単位で積み重なるCD-Rと、アイドルマスターの物品たち。顧みたことのないバックアップ。バラバラになった限定品。ビット化された情報はすべて未来にむけて残されるべきだと考えていたのは、たまさか情報が残されうる形式になっているからそう思いこんでいただけで、10年20年程度の時間が経ってしまえば、案外塵のように吹き飛んでしまうものなのかもしれない。と、レーベル面に書かれた油性ペンの文字が滲んで読めなくなってしまっているのを見て思った。