この人は『その可能性はすでに考えた』を読んで論理学をやりたいのは分かるが話としてどうなん……と感じたのを覚えていてややスルー気味だったのだが、あらすじを知って食指が動いた。先に知っておけばよかったね。見えない・話せない・聞こえないの三重盲の女性が震災で孤独に取り残されてしまった。安全なシェルターまで誘導するのは『アリアドネ』という名のドローン! ということでわりと燃える展開。出てくる人間もオタクっぽくて好感が持てる。ジャンルはミステリではなくて、文芸だと思っとくのがいいね。帯には「衝撃のどんでん返し」などと書かれているようだがそれを楽しみに読むものでもないです。