1月のasinまとめ

おれのコンプレックスの一端である本読んでない劣等感は本を読めば立ち向かってゆくことができると気付いたので当面は積極的に本を読むことをしていく。折り合いがついてくるともっと根源的な問題と対面しなくちゃならないだろうけど、とりあえず表層的なことでいいのだ。
もちろんおれの場合読んだということを誰かに教えなければ意味がないわけで、ここにしか書くところがないのでここに書くのだけど、おもしろかった本をおもしろかったと書くのは世の中にとってよいことばかりもたらすので俺は善行を積んですらいる。おもしろくなかった本をおもしろくなかったと書くのはあまりいいことじゃないのでしない。

ながいのでたたみます

沈黙のフライバイ / 野尻抱介

沈黙のフライバイ (ハヤカワ文庫JA)

沈黙のフライバイ (ハヤカワ文庫JA)

これを元日に読んだんだけどとてもよかった。よい一年になると思えたので今年は日本人SF作家を読もうと思った。科学工学礼賛は俺によし。『大風呂敷と蜘蛛の糸』。

ブロッケンブラッド / 塩野干支郎次

ブロッケンブラッド (ヤングキングコミックス)

ブロッケンブラッド (ヤングキングコミックス)

ブロッケンブラッド (ヤングキングコミックス) ブロッケンブラッド 2 (ヤングキングコミックス) ブロッケンブラッド 3 (ヤングキングコミックス) ブロッケンブラッド 4 (ヤングキングコミックス)

面白いしかわいいし、漫画はうまいしで読み終えるのが勿体無くて4冊に2週間くらいかけた。ギャグに見開きを使ったり、芸能人ネタ(とはいえ俺でも分かるようなの)みたいな確実に風化するネタを使っていく姿勢がひとしお、たまらんのであった。男の子にエッチな格好させるなら罪悪感も湧かないしね

面白かったのでこっちも注文したけどやっぱり面白かった。おれは女の子が可愛けりゃなんでもいいよ派(穏健萌え豚派)なのでギャグマンガじゃなくてもいけます。

ネコサス:シックス―完全版 (ガムコミックスプラス) エクストラ・イグジステンス (ガムコミックスプラス)

BG、あるいは死せるカイニス / 石持浅海

BG、あるいは死せるカイニス (創元推理文庫)

BG、あるいは死せるカイニス (創元推理文庫)

もちろんこんなの表紙買いに決まっているんだけど、何でか知らんがとてもよかった。ストーリーに感動したとかトリックに驚いた(ミステリです)とかではないんだけど読んでいて充足した。とにかく読んだ直後のおれは相当これが気に入っていた。

続けて読んだのもよかった。

扉は閉ざされたまま (祥伝社文庫) 月の扉 (光文社文庫)

GIRL FRIENDS / 森永みるく

GIRL FRIENDS (1) (アクションコミックス)

GIRL FRIENDS (1) (アクションコミックス)

GIRL FRIENDS (1) (アクションコミックス) GIRL FRIENDS 2 (アクションコミックス) GIRL FRIENDS 3 (アクションコミックス)

今年は百合から逃げるなってことで。女子高生の恋に男が存在しないなんて、それは素晴らしいことじゃないか!全体的にいい話ムード(なにそれ)でやらしい感じがしない。こっこれからどうなっていくんだろう…(完結していない)。
うだつの上がらない、失礼、大人しくて目立たない女の子が活発な女の子たちのグループに軋轢なく巻き取られ、おしゃれを覚えて綺麗になっていく…という類のストーリーをよく見かけるのは少女たちの願望なんだろうと思っていたら、何のことはない、俺の願望だった。

七姫幻想 / 森谷明子

七姫幻想 (双葉文庫)

七姫幻想 (双葉文庫)

歴史にも和歌にも造詣ないけど、古代日本を舞台にした話が俺によしなのは、たぶん今よりずっと年若くして結婚しなくてはならない社会が醸し出す雰囲気が好きなんだろうな。そういう世界の、少女時代の終わりごろの女性の恋は本気だし、発展途上の社会は、いまの社会よりもずっと若くから大人であることを求めるので見目みずみずしい女の子が一人前の考えを持っているっていう図。(と言う感じのことをプライベートグループに書いてあった)
裏表紙には「連作ミステリー」と書いてあるけど、普通の物語として読んでいいと思う。

生き延びるためのラカン / 斎藤環

生き延びるためのラカン (木星叢書)

生き延びるためのラカン (木星叢書)

たいへん分かりやすかったし、他のもうちょっと難しい本も読んでみようという気にもなる。できればもっと若いうちに読んでいたかった……。
わりと付き合いは長いのだし、自分の心の読み方、コンプレックスとの付き合い方は我流ながらそれなりに確立しているのだけどやっぱりプロの人が長い時間をかけて積み上げてきたものを参考にするのは大いに価値がある。こういう本を読むこと自体がおれの劣等感の解消につながるという浅ましい理由もあるけどね。