- 作者: 中島一
- 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社
- 発売日: 2009/05/01
- メディア: 新書
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第一版と第二版とで結構内容が違うらしいが、一版を読んだ。KT法とは名前だけ聞いたことがあったが、ケプナー・トリゴーという会社による手法で、そのケプナー・ トリゴー社の日本社長(だったかな)による本。意思決定というプロセスを目的の設定、目標への分解、行動可能な案の作成、という流れで解説している。
意思決定とは組織内部の欲求と外部の事情を統合した目的を達成するための、行動可能な案を生みだすプロセスである。だからこれら内から外へ向かう力と、外から内へかけられる力の存在を認識しておかなくてはならないし、最後に出される案は行動可能でなくてはいけないことに留意すべし。
このプロセスの前半に力点をおいた本で、とにかく目的がブレると意思決定の質も下がるというような話。立案のノウハウは巷の本に学べるだろう。インサイド欲求においては意志が大切である、という話もあり、これはビジョン重要というよく聞く話とも通じるよなあ、と思った。
企業の意思決定プロセスは、…アウトサイドとインサイドの矛盾を包みこんだ統合目的が、一定の期間と条件で達成されるプロセスなのです。ですから、「目的」が明示されていない意思決定はありえません。つまり、意思決定のプロセスは、まず目的の設定から開始されるのです。
024- 意思決定のアウトプットは行動可能な「案」 024
- 目的と案のあいだに目標をおく 025
- 3種類の思考能力 … 分析的 → アウトサイド欲求の理解、想像的 → インサイド欲求の確立、統合化的(Synthetic)→ 意思決定プロセスに習熟 029
- 想像的思考力。「自分のために」と「社会のために」の接点においてエネルギーが最大になる 033
- 情報収集の目的は意思決定の目的そのもの 052
- 情報収集が7:3で思考展開力より重要。知るべきことを洗い出す。目的のために「何がしたいか」「何をすべきか」「現状はどうか」「それはなぜか」という問い。053
- 知るべきことを探すために、日ごろから関心事を明らかにしていく。059
- 目的を目標に分け、優先順位付けし、手段を講じ、案にまとめる 072
- 意志がないと戦略性に欠ける 075
- 目的は状況分析と意志から生まれる 091
- マザーフッド(お母さんの)願望 092
- 状況分析を欠いた目的のこと。
- やりたいことの列挙、意志の確認、状況分析(現在、将来)、WHY WHEN WHAT 095
- 負け犬根性とはリスクテーキングができていない 120
- 間違ってもよいから重点化せよ 141
- 究極の目的を明確に定める 141