ようやく会場のクロークにたどり着いて、自転車を預けるのかこれから使うのかが伝わらずひと悶着したところで旧い仲間も来ているのに気づいた。自分の用は済んでいたので先に去ってもよかったけど、挨拶を交わしているうちにぞろぞろやってくるので、これは全員揃うんじゃないか? と思い、記念撮影でもあるやもしれんので残ることにした。結局写真を撮ることはなかった。夜も遅いのでホテルの部屋に入る前にひとりと買い出しに出かける。敷地内にコンビニがあることは知っていたが、外のほうが近かったので坂の上のそちらに行く。道みち、知ったような知らんような話をする、その中で彼が、夫婦で訪れた居酒屋に軽く出資をしたらそれがバズって感謝されている、という話をする。馴染みのない世界である。そういうことよくすんの? と聞くと、まあ、税金対策だよ、と返す。はあ〜外資はそんな感じなのか! と驚くが平静を装う。コンビニは品揃えが悪く、広い割に発泡酒が数本しかなかった。髭面の店長に聞くとコロナビールがある、とのことで二本ほど奥から出してもらう。コロナがあれば上々だろう。支払い時に早口で店にポイントをチャージすることを勧められる。この店でしか使えないポイントで、明日にはもう発つので要らないのだけど、面倒なので500円だけチャージした。

出立はホワイトベースのようにウイングが複数ある宇宙船。途中で出会った女性のうちの一人がここでお別れであると言う。女神のような預言者のようないでたちで、もう会うことはないらしい。それが未来永劫になのか、当面の長い間なのか、ニュアンスはくみ取れなかった。