読み直し、病院

父親と病院へ行く。おれは小学生か中学生くらいである。そのあと病院は内部から壊滅してしまうのだが、それに父親が深く関わっているらしいと気づいてしまう。という筋書きの本を病院の中で読んでいる。本の中の話であり、(夢の中の)現実の話でもある。頁をまるまる一つ使って、太字で二つの選択肢が示されている。1. そのまま父親に付いていくか、2. 真相を知るために病院のチームに入るか、である。おれは 1. を選び、真相は闇の中となった。

それでは困るので、また本を読みなおすことにした。今度は 2. を選ぶつもりである。時間になるまで隣のビルで暇をつぶすことにしたのだが、やたらと高級感のあるビルであり飯を食う場所が結局みつけられなかった。ふたたび病院に還り、父親の後ろを歩いて注視すると右手に小さな機械を隠し持っている。これを電子機器に向けると無効になってしまうようだった。受付の看護師の胸に小さなピストルを突きつけ、音もなく撃つと、倒れかかった看護師を受けとめ、通りがかった医師に何ごとか言って押しつけ、そのすきに受付の裏側へするりと入りこんだ。見えない壁があって、おれにはあとに続くことができなかった。そうしてまた選択をするタイミングがやってきたのだが、鞄をさぐっても図書館を探しても例の本がなく、忘れてしまったようで、続きを読み進めることができなかった。