カメレオンの呪文―魔法の国ザンス1 (ハヤカワ文庫 FT 31 魔法の国ザンス 1)

カメレオンの呪文―魔法の国ザンス1 (ハヤカワ文庫 FT 31 魔法の国ザンス 1)

★★★。望んでいた、魔法が神秘な世界観ではなくて、ある程度ロジカルに世界を構成する要素だったけど。読んでみれば面白かった。というかよくできていた、という感想のほうが近いかな。ザンスの外は現代の世界に近いのだということが示唆されていて、登場人物の思考様式も現代人風だ。長い旅をするが、物質的風景はあまり描かれなかったように思う。内省の多い主人公だからか。いろんな魔法的生物が登場して、いくつも冒険していくわけだけど、バランスがよくて過剰とも物足りないとも感じなかったな。ぴくぴく虫との戦いは絵になるだろう。トレントのほうが主人公なのではと感じることも多かった。かっこいいんだよね。確率の話をするくだりはかなり感動的だったと思う。時代からか、女性蔑視を感じるところがある。あといきなりケルビム出てきて笑っちゃったけど。キリスト教の概念じゃないのか?